top of page

第4回 味覚ワーキンググループ「咳と嚥下のスイッチ 喉に新たな感覚器官を発見〜咳治療に道筋、喉ごし感覚の一端か?〜」

第4回 味覚ワーキンググループセミナーを開催しました。


日程: 2025年6月10日(火曜)14:30 〜

講師:樽野 陽幸(京都府立医科大学大学院医学研究科)

講演タイトル

「咳と嚥下のスイッチ 喉に新たな感覚器官を発見〜咳治療に道筋、喉ごし感覚の一端か?〜」


(限定公開にてuploadしております)

概要:咳が 8 週間以上続く慢性咳嗽(がいそう)や嚥下障害には原因不明または難治症例が多く治療法が限られています。こうした現状から咳や嚥下の⽣理学的機序の理解不⾜が指摘されてきました。最近、私たちはマウスを用いた実験で、喉の上⽪に希少に存在する感覚細胞群を発⾒し、これらの細胞が侵害化学物質に応答し、喉頭では咳、咽頭では嚥下を引き起こすこと、およびその細胞内分⼦メカニズムを解明しました。咳や嚥下を司る新規感覚器官の発⾒であり、苦味を呈する毒素を含む植物抽出物、タバコの煙、空気汚染物質、病原体関連物質など多様な侵害化学物質に対して⽣じるこれらの気道防御反射の機序が明らかとなりました。これら感覚器官がアレルギー性咳過敏症にも関与していることが分かり、慢性咳嗽創薬に道筋を⽰すことが期待されます。⼀般に喉ごしと表現され、ビールを飲む際などに喉で知覚される感覚には苦味が重要ですが、その機序は分かっていません。苦味物質が嚥下を促進する機序を解明した本研究は、ビールの苦味がもつ喉ごし感覚の⼀端を説明するかもしれません。



frontier_b4.jpg
bottom of page