感覚や脳の個別研究から、感覚―脳機能システムの統合研究へ
Sensing Innovation
新たな感覚研究は、超高齢化に伴う諸問題を解決し、医学や医療・ヘルスケアの未来を拓きます。
スマート社会を支える技術の創出にも貢献し、豊かで幸せな社会の実現を目指します。
2021年のノーベル生理学・医学賞は、「感覚」の研究者に授与されました。
“2021年のノーベル生理学・医学賞は、「温度覚」と「触覚」の基礎研究者へ”
2021年、スウェーデンのカロリンスカ研究所は、今年のノーベル生理学・医学賞を、カリフォルニア大学サンフランシスコ校のDavid Julius教授と、スクリプス研究所のArdem Patapoutian教授に授与すると発表しました。受賞理由は、「温度と触覚の受容体の発見」です。(https://www.nobelprize.org)
Julius教授は、唐辛子の辛味成分であるカプサイシンの受容体TRPV1を同定し、このイオンチャネル共役型受容体が熱や痛みを感じるセンサーとして働くことを見出しました。今回は、特に「温度」に係る業績が評価されています。本コンソーシアムの評議員である富永真琴教授(生理学研究所)は、かつてJulius教授の元でTRPV1の発見に深く関わり、顕著なご業績を挙げておられます。(https://www.nips.ac.jp/release/2021/10/nobel_tominaga.html)
Patapoutian教授は、長年謎だった触覚を司るイオンチャネル型受容体PIEZO1・PIEZO2を発見しました。この受容体は皮膚や内臓、感覚器に分布し、物理的・機械的刺激を信号化するために必須の役割を担っています。
感覚の基礎研究者にノーベル賞が贈られることは、「感覚研究」がヒトや生物にとって極めて重要であることを示しています。温度覚・触覚を含めた感覚研究は、今後、医学・生物学のみならず、理工学・情報学・人文社会学などへの幅広い応用と展開が、ますます期待されます。
お知らせ
今後のイベント
2023年3月29日
第二回感覚研究シンポジウム「感覚医療と産学連携」を、2023年3月29日に対面で開催しました。
2023年1月17日
第1回 視覚ワーキンググループ「生体の光応答から考える眼疾患の病態生理と治療開発」を開催しました。
2022年12月7日
第2回 痛覚ワーキンググループ 「 第3の痛みのメカニズム「痛覚変調性疼痛」nociplastic painの基礎と臨床」を開催しました。
2022年11月24日
第2回 前庭ワーキンググループ「両側前庭障害に対する診断・治療の現状と未来」を開催しました。
2022年9月12日
第2回 味覚ワーキンググループ「塩味とイオン」を開催しました。
2022年7月4日
第4回 聴覚ワーキンググループ「人工内耳の現状と展望」を開催しました。
2022年5月13日
第1回 嗅覚ワーキンググループを開催しました。
2022年3月8日
第95回薬理学会年会(2022年3月8日:福岡)で、共催シンポジウム「感覚研究の最前線:疾患治療と創薬に向けて」を開催しました。
2020年11月6日
第1回 ピッチイベントをオンラインで開催しました。
2020年11月6日
第4回 感覚研究フロンティア・シンポジウム
ー感覚器から統合機構までの総合的理解と臨床医学への展望ー をオンラインで開催しました。
270名を超えるご参加をいただき、盛況のうちに終えました。
多くの皆様のご参加、ありがとうございました。
New
2019年12月9日
第3回 感覚器研究イニシアチブ・シンポジウムを開催しました。
2019年4月6日
第2回 感覚器研究イニシアチブ・シンポジウムを開催しました。
2018年4月15日
第1回 感覚器研究イニシアチブ・シンポジウム開催を開催しました。