​視覚

我々はふだん目を通じて、外界の物の形、色、大きさ、動きといった多様な

情報を得ています。さらに、両目を使うことで遠近や立体といった三次元の

情報も得ることができます。これを当然のように思いがちですが、

長い生物の歴史を見ると、光を受容するだけの原始的な視覚器から、

長い進化の過程を経て、我々は高度な機能を持った目を獲得してきたことが分かります。

 

ヒトは外界からの情報の約9割を、視覚を通じて取り入れていると言われています。

我々が目から入る光の情報で色や物の輪郭が分かるのは、どのような仕組みによるのでしょうか?長年会う機会のなかった親戚や友人の顔を見て、誰であるか正確に認識できることも視覚の不思議の一つです。また、「顔色をうかがう」という言葉があるように、我々は他人の顔色を見ることで、その人の感情や健康状態まで推測できてしまうのも、

視覚の高度な機能の一つです。

 

このような高度な視覚機能を可能にしている目や脳の働きとはどのようなものでしょうか。まだまだ基礎科学研究が解明するべき視覚の不思議があります。

 

視覚の障害や失明は、我々の生活や人生に大きく影響するだけでなく、命に関わることもあります。また、小さなお子さんからお年寄りまで、スマホが手放せない現代にあっては、視覚からの情報を得ることが難しいと、大きな不利益を被る可能性もあります。

スマホ社会に生きる子どもたちは、近視になり易いだけでなく、大人たちも目にダメージを受けやすい社会でもあります。

 

一方、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)といった次世代技術の発展によって、

視覚を含む感覚テクノロジーが新しい生活様式を作るといった展開が期待されます。

再生医療や視覚工学による視覚障害を克服する医療技術の開発とともに、次世代の視覚テクノロジーの発展が、視覚を駆使すると同時に視覚器を酷使する現代社会に生きる我々のより良い生活や幸せを作る上で欠かせません。

本WGでは、基礎研究者・臨床研究者と産業界の方々が協力して、

視覚を中心とした研究開発活動を推進していきます。

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​感覚研究コンソーシアム